入管法改正案はご都合主義に聞こえる

今国会で議題に挙がっている「入管法改正案」。
まぁ、簡単に言えば、労働力不足なので、ハードルを下げて、より多くの外国人に働いてもらおう、ということですよね。
ちょっと都合が良すぎるんじゃないかと思う。
対象は主に東南アジアなどの後進国の若者たち。
現在の実習生制度でもいろいろな問題が出ている。
そこにはどうしても差別的な意識がある。
例えば、実習生の女の子たちを縫製工場で安い賃金で働かせ、ある日突然倒産させる。
実習生たちに支払いができない。
しかし、その社長は再び別の縫製工場を開業する。
別会社だから支払い義務はない、と言う。
こんな考え方で働かせているところがあり、取り締まりは行き渡っていない。
もちろん、家族のように実習生たちを大切にしている企業もたくさんあるだろう。
しかし、根底にある差別的な意識をなくさない限り、ハードルを下げればより多くの問題が起こるし、それに泣く若者たちが増えるだけだ。

先日、ネパール人留学生がアパートを借りたいと言うので不動産屋を紹介した。
彼は昨年秋に来日し、日本語学校に通っている。
引っ越すまでは学校の寮に住んでいた。
寮費は前払いで1年約40万円。月で計算すれば3万ちょっと。
他に毎月1万円の光熱費がかかる。
部屋は借り上げのアパートで2DK。ここに4人が生活している。
アパートの場所を考えれば、恐らく家賃は月5万円程度。
学校が留学生に払わせているのは4人で12万円。
敷金・礼金があったとしても高すぎる。
光熱費も月に4万円はかからないだろう。
こういう寮をいくつも持っていれば、学校はそれだけでかなり儲かるはず。
もちろんこれも、そんな学校ばかりではないが、こうした寮や規定の授業数を行わないなどの問題が出て来ていると言う。

アパートを紹介した彼は、ネパールのある農村出身。実家は農家。といっても自給自足のようなもの。
畑を耕すのに使うのは未だに牛だ。
ネパールには若者が就きたいと思う良い仕事が多くない。
だから皆、海外に足を向ける。
男性に一番人気があるのは各国の外人部隊。
ネパールの山岳部隊グルカ兵の歴史から、今でもアメリカやイギリスなど欧米の軍の試験を受けることができる。
彼は最終試験で落ちてしまい、仕方なく日本に来た。
懸命に働き、親戚に借金をし、150万円という彼らにしたら大金を用意して。
その中には入学金、授業料、寮費の他に、代理人に払う手数料も入っている。
日本に来た留学生たちは、日本語学校を経て、ほどんどがビジネス系の専門学校に入り、日本での就職先を探す。
彼の場合はできれば農業の学校に入り、その後は数年日本の農業を働きながら勉強して、国に帰って活かしたいという希望を持っているが、その道はまだ見つかっていない。

留学生の中には、翌年の授業料を用意し、高い生活費を得るために働きながら勉強する日々に耐えられなくなる人も少なくない。
なるべく早く国の家族にまとまった金を送ってやりたい。しかしまだ2年、3年もこの生活をしなければならないと考えると気が遠くなるのだろう。
行方をくらまし、学校を辞め、もぐりで働く。見つかったらもちろん強制送還だ。
こうした若者を安い賃金で働かせる会社もあるのだ。

彼らにも日本人と同じように家族がいるし、夢があるし、希望がある。
その当たり前のことを、ちゃんと解っているのか。
雇い入れる会社は解っているのか。
日本人と同じように扱えるのか。

別問題として、今後の日本という国のあり方、ビジョンはどうなのかという事もある。

日本は長い間、日本人だけで暮らして来た。
まだ外国人には偏見も多い。

今回の法案には、
人が足りないね、じゃ、東南アジアの若者に来てもらえばいいんじゃないの?彼らも稼ぎたいでしょ?
なんて上から目線がひしひしと感じられてしまう。



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by toto4543 | 2018-10-31 10:39 | ニュースに思う | Comments(0)